86回の歴史を誇る都市対抗野球大会。都市対抗野球が一番の社会人野球の大会という声も多くあります。しかし、都市対抗野球大会は補強制度があることや強いチームが地域により偏りがあることなどから社会人野球日本選手権が本当の意味でも真の王者決定戦という人も少なくありません。今回は真の社会人野球王者決定戦、日本選手権について解説します。
社会人野球日本選手権とは?
都市対抗野球大会は86回に対し日本選手権は43回と半分の歴史しかありません。しかしながら、1951年から1973年までは産業別大会と呼ばれており22業種の代表チームが後楽園球場(現東京ドーム)で行われました。ですが経済状況の変化により1973年を最後に産業別大会は終了してしまいました。ちなみに産業別大会時代は補強制度があったそうです。その時代から補強なしの真の社会人王者決める大会が必要という声があったため現在の日本選手権の形に移行されました。
社会人野球日本選手権の仕組みとは?
都市対抗野球大会では地域の代表にならないと参加できません。しかし日本選手権は地域の代表になる他に幾つかの日本野球連盟が主催する地方大会で優勝することで参加することが可能なのです。ちなみに日本野球連盟が主催する地方大会の枠は11もあり大会ごとで参加チーム、数、形式も様々です。基本的には主催する地域が参加チーム、数、形式を決めます。ですので強豪がそろう神奈川では3つある企業チームが都市対抗野球大会には全て参加できなかったのにもかかわらず地方大会で優勝したため全て日本選手権に出場したケースもあります。また日本選手権への参加は、その年の都市対抗野球大会優勝チーム、クラブ選手権優勝チームなども可能となっています。クラブチームは日本選手権の予選の参加はできないことになっているため、各地方大会に呼ばれて優勝するかクラブ選手権で優勝するしかないのが現状です。ですが真の社会人王者を決める大会ですので、とにかく勝ち進むしかないのです。
【開催期間】
・最終予選 8月下旬~9月中旬
・本戦 10月下旬~11月初旬(京セラドーム)
日本選手権の名場面!
日本選手権はプロ野球のドラフト会議後に行われる大会です。そのためドラフトで指名された選手はチームでの最後となることやドラフト指名されたことで非常に注目されます。その中でも非常に2つの名場面をご紹介します。
1. 2004年準決勝、大阪ガスVSシダックス
この試合最も注目されたのは、その年のドラフト自由獲得枠で巨人に指名されたシダックス野間口投手と阪神に指名された大阪ガス能見投手の対決です。下馬評通り投手戦となりました。そして緊迫した投手戦を制したのは能見投手でした。11奪三振、2失点、圧巻のピッチングでの完投勝利。その後、阪神のエースとなりましたが、この試合が能見投手を全国に知らしめる大会であったことは間違いありません。
2. 2016年決勝、ヤマハVS日本通運
1958年創部のヤマハが創部以来初の優勝を遂げた試合です。相手は都市対抗野球大会1回、日本選手権1回の優勝を誇る強豪、日本通運でした。ヤマハの先発投手は現在、巨人の中継ぎとして活躍している池田駿投手でした。決勝のこの試合、勝っても負けても社会人最後となる池田選手は好投を見せました。8回途中までを1失点に抑えるピッチングで日本通運打線を圧倒しました。そしてチーム初優勝を置き土産にプロ野球の舞台へと進んだのです。初優勝を置き土産にプロに行くなんてカッコよすぎますよね。
以下の動画は優勝シーンです。選手たちの歓喜の輪を見る限り、大会にかける熱い思いが伝わってきます。まさに最高峰の戦いなのでしょう。
まとめ
日本選手権について説明してきましたがいかがだったでしょうか。都市対抗野球も非常に魅力的な社会人野球の大会ですが補強制度もなく、しかもドラフト後に行われるということで面白い試合が目白押しです。その年に指名された選手を見に行くのもよし、都市対抗に出れなかったチームの意地を見に行くのもよしの日本選手権に是非、観戦に行ってみてはいかがでしょうか。
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