4月1日、京都を皮切りにスタートした都市対抗野球大会。昨年は強豪トヨタ自動車の優勝で幕を閉じた。トヨタ自動車には現在、西武ライオンズのショートストップとして活躍している源田壮亮も所属していた。数々のプロ野球選手を輩出している都市対抗野球大会は今年で86回目を迎える。今回は86回の歴史を遡りながら都市対抗野球大会についてご紹介します。
都市対抗野球とは?
社会人野球に詳しくない方のためにそもそも都市対抗野球大会とは何か説明します。都市対抗野球大会を運営する公益財団法人日本野球連盟HPによると昭和2年に毎日新聞の記者が提案したとのことです。その理由は当時、プロ野球はなく高校野球や6大学野球が非常に人気でスター選手も数々いたそうです。しかしながら卒業と同時にそのスター選手を見ることはできなかったため、アメリカ大リーグを参考に都市を基盤とした社会人野球の開催を思いついたそうです。今ではプロ野球が一番の人気でスター選手も多くいますが、かつては大学野球の人気が高かったのですね。
次に都市対抗野球仕組みについて説明します。予選は各都道府県で行われます。クラブチームは1次予選があって企業チームは2次予選から出場するのが一般的となっています。2次予選で決められた都市対抗本戦の出場枠を争います。地域ではトーナメントで決めるところもありますがリーグ形式の地域など様々です。
そして都市対抗野球本戦での面白い仕組みの一つに補強制度があります。予選で負けてしまった同じ地区の選手を最大で3名まで補強することができるのです。補強される選手にとっては自分のチームではないため複雑な気持ちかもしれませんが全国の舞台で活躍することはプロのスカウトの目にとまるチャンスでもあります。実際に補強選手として活躍し、その年のドラフトで指名された選手もいるくらいです。
【開催時期】
・1次予選 4月~5月
・2次予選 5月~6月
・本戦(東京ドーム)7月中旬から約12日間
どんな人が出場するの?
社会人野球といっても参加できるのは会社に勤めている人だけではありません。野球な好きな人達が集まってできたクラブチームも参加します。企業チームとのレベルの差が高くなかなか本戦に出場することはできていませんが85回大会では全足利クラブと松山フェニックスの2チームが予選を勝ち上がり本戦に出場しました。そしてそのクラブチームにはROOKIESという高校野球を途中でやめてしまった人や一身上の都合で続けられなかった人が入部しています。実際にROOKIESがトヨタ自動車と対戦したこともあり高校生がアマチュアの最高峰の投手と対戦できる機会もあるのです。
かつて活躍した有名選手は?
都市対抗野球大会で活躍しプロ入りした選手は数多くいます。第27回で橋戸賞という都市対抗野球大会最高の賞を獲得した日本石油(現エネオス野球部)から読売巨人に入団した藤田元司投手がいます。何をかくそう藤田投手は巨人軍で29勝と27勝を挙げた大投手です。巨人のレジェンドも都市対抗出身なんて驚きですね。そして最近だとメジャーリーグで活躍している田沢純一投手がいます。彼も第79回の橋戸賞を受賞しています。また彼の凄さはプロ野球を経由せずにメジャーリーグに行ったことです。渡米当初は通用しないと言われたこともありましたが皆さんが知る通りメジャーリーグでも屈指のセットアッパーです。
さらに日本球界で活躍している選手の中では2009年に巨人からドラフト1位で指名された長野久義選手がいます。入団してすぐに新人王も獲得し2013年のWBCでは日本代表として活躍しました。長野選手だけでなく社会人出身の選手はチームから即戦力で期待されることが多くドラフト1位で指名されることが少なくありません。現に2012,13年ともに3名ずつの社会人選手がドラフト1位で指名されています。
まとめ
都市対抗野球大会について説明してきましたがいかがだったでしょうか。ドラフト候補生が揃った都市対抗野球は有名プロ野球選手の輩出など非常にレベルが高いということがわかっていただけたと思います。そして都市対抗野球の特徴はトーナメントということです。プロ野球とは違い負けたら終わりというプレッシャーの中やるので球場での緊張感はすごいです。観戦もプロ野球よりも安いので是非観戦に行ってみてはいかがでしょうか。
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