今回は2017年パリーグ新人王争いについてまとめました。
目次
1998年以来、投手が受賞し続けたパリーグ新人王
前回はセリーグの新人王候補を書きましたが、今回はパリーグの新人王候補について触れたいと思います。パリーグではここ10年を見てもすべて投手が獲得しており、野手では1998年に西武の小関竜也が受賞して以来、一度もありません。投手豊作となった2016年のドラフトでは大学生の注目株であるソフトバンクの田中正義やロッテの佐々木千隼、社会人No.1投手とも言われたオリックスの山岡泰輔投手など、各球団が好投手を次々と獲得しました。こうなると今年も投手の可能性が高いと思われますが、それに待ったをかけるように意外な選手が台頭してきました。
野手は注目を集める西武の源田が大きくリードか
その意外な選手とは、西武の源田壮亮です。2016年のドラフトで3位指名を受けて入団。オープン戦で結果を出すと、高い守備力と走力を買われて、西武の新人ショートとしては36年ぶりに開幕スタメンを勝ち取りました。試合に出るにつれて打撃の調子も上がり、今では西武に欠かせない選手となりました。新人としては珍しくグリーンライト(走者が自由に盗塁して良い)が与えられるなど、首脳陣からの信頼も高くなっています。
源田以外の野手には日ハムの石井一成が挙げられます。石井は軽快な守備とパンチ力のある打撃が魅力の選手で、12球団の新人で一番早くホームランを打った選手としても話題になりました。現在はショートのレギュラーである中島が怪我でいないため、代わりに出場している状態であり、レギュラーを掴んだ源田とはまだ差がありますが、実力は決して見劣りしないので、ここからが勝負になると思います。
総合力の高いロッテの佐々木とオリックスの山岡が先発の注目株
2016年のドラフトでは史上初めて、外れ1位を指名した5球団全てが1人の選手を選んだことが大きな話題になりました。その選手こそロッテの佐々木千隼です。最速153km/hを誇るストレートに鋭く変化するスライダーやシンカーなどを操って打者を抑えます。佐々木の特徴は試合を作るピッチングの上手さにあります。ストレートが普段より力が無いと見ると、相手に悟らせずに変化球を軸にしたピッチングに切り替えることができます。高い実力と不調でもゲームを作るしたたかさを持った佐々木は新人先発投手の中でもズバ抜けた存在です。
佐々木以外では社会人No.1投手と言われたオリックスの山岡泰輔も注目です。174cmと小柄な体格ですが、150km/hを超えるストレートとキレのあるスライダーを武器に社会人野球で活躍した投手です。ドラフト前から獲得できればほぼ確実に即戦力と言われ、多くの球団が1位指名を検討した逸材でもあります。5月30日現在でまだ1勝しかしていませんが、大崩れしない安定した投球を続けているので、援護さえあればさらに勝ち星を伸ばせるでしょう。佐々木も山岡も、所属チームの状態があまり良くないため、いかに我慢して投げ続けられるかがポイントになりそうです。
リリーフは首位の楽天を支えるセットアッパー森原が台頭
過去10年でリリーフ投手が新人王を獲ったのはロッテの益田直也と西武の牧田和久がいます。どちらもホールドやセーブを多く挙げてチームに貢献した事が評価されました。今年も各チームで新人リリーフの奮闘が見られますが、特に注目を集めるのが首位を走る楽天の森原康平です。森原は150km/hの速球とフォークを武器に開幕から10試合連続無失点という記録を作り、13ホールドを挙げました。ハーマン、松井裕に繋ぐ7回のセットアッパーとして楽天の必勝リレーを任されています。
他には最速153km/hの剛速球で相手の懐をガンガン攻めていくピッチングでホールドを挙げているオリックスの黒木優太や150km/h越えのストレートとスライダー、ナックルカーブで三振を奪っていく楽天・菅原秀の活躍も目立ちます。特に黒木は開幕戦でいきなり登板して好投を見せると、5月30日現在で12ホールドを挙げ、オリックスのブルペンを支えています。森原と黒木のホールド王争いも見逃せません。
注目の田中正義は未だ1軍登板なし。源田の独走を食い止める存在は現れるか
6球団の指名で注目されたソフトバンクの田中正義ですが、現在は肩の怪我で治療しており、最近ようやくブルペン入りしました。まだ実戦登板ができる段階には遠く、新人王争いどころか、今年中に1軍で投げることすら不透明な状況です。チームとしても急いで治そうとはしていないように見えるので、年内は見る機会が無さそうです。
ここまで多くの候補を挙げましたが、新人王争いを大きくリードしているのは西武の源田と見て間違いないと思います。1位になっている盗塁などでタイトルを掴めばほぼ確実に受賞するのではないでしょうか。しかし、まだ5月が終わったばかりのプロ野球。ここから新人や2軍で研鑽を積んだ若手が台頭してくるかもしれません。源田の独走か、はたまた対抗する選手が現れるか。パリーグの新人王争いはまだまだ目が離せません。
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