今回は独立リーグで奮闘する元NPBの外国人選手たちをご紹介いたします。
目次
NPBを目指して独立入りする外国人選手たちが増加傾向に
2017年の春、MLBで活躍した往年の名選手、マニー・ラミレスが突如四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスへ入団することが決まりました。彼が来日した理由は「NPB入りを目指す」といったシンプルな目標でした。
独立リーグには日本人だけではなく、外国人選手も入団しており、実力を認められてNPBへ進んだ選手もいます。そんな中、NPBで戦力外になってしまった外国人選手が、再びチャンスを掴むために日本の独立リーグ入りを選ぶケースが増えています。
日本記録を作ったソフトバンクのセットアッパー、バリオスは富山へ
BCリーグの富山GRNサンダーバーズには、ソフトバンクでプロ野球記録となる17試合連続ホールドを達成し、セットアッパーとして活躍したエディソン・バリオスが所属しています。バリオスは2011年に関西の独立リーグからシーズン途中にソフトバンクへ入団しました。怪我による育成契約落ちと戦力外を繰り返しながら、3度目の支配下登録となった2015年、ついにリリーフの柱として成功を収めます。しかし、翌年は不調で2軍暮らしが続き、そのまま放出となりました。
それでも日本での野球を諦めきれなかったバリオスはBCリーグの富山へ入団、先発に転向して、再びNPB入りを目指して戦っています。6月4日現在で7試合に登板し、4勝3敗、防御率は2.28を記録しています。150km/hにも届く重いストレートに、シンカーやフォークを低めに集めて三振を奪える本格派投手として、富山の投手陣を引っ張っています。富山での好投が評価され、現在西武が獲得調査を進めているという報道もあります。バリオスがもう一度NPBのマウンドに帰ってくる日はそう遠くないかもしれません。
巨人、楽天でプレーしたボウカーは福島で再起を誓う
2012年のCS、日本シリーズで活躍し、巨人の日本一に貢献した選手としたジョン・ボウカーは、現在BCリーグの福島ホープスでプレーしています。巨人退団後は楽天へ入団するも、1年で自由契約になりました。その後はアメリカへ戻り、サンフランシスコ・ジャイアンツの3Aなどでプレーをしていましたが、2016年に福島の監督である岩村明憲に誘われ、福島ホープスへ入団しました。
シーズン開始から持ち前のパワーを発揮してチームの勝利に貢献し、貴重な長距離バッターとして活躍しました。真面目で気さくな人柄からファンの人気もあり、チームの広報CMにも出演するほど馴染んでいます。ボウカーも32歳となり、独立リーグでの挑戦が長く続かないことも覚悟しています。それでも、アメリカの球団からの誘いを断り、NPBへ目指し、日本で戦い続けることを選んだボウカーの姿は、きっと福島の人たちを勇気づけることでしょう。
オリックスに2度入団したカラバイヨは群馬でコーチとしても活躍
オリックスに在籍していたフランシスコ・カラバイヨは、独立から再びNPBへ戻った唯一の外国人選手です。ずんぐりしたボディからボールが壊れるほどのパワフルなスイングでホームランを放つ姿はインパクト十分でした。オリックスを2度目の自由契約で退団した後は古巣の群馬ダイヤモンドペガサスへ戻り、野手コーチ兼任選手としてプレーしています。NPBでは怪我で本領発揮とはなりませんでしたが、BCリーグではリーグ最強打者の1人として君臨しています。
しかし、上の2人と違い、カラバイヨはNPB入りにそこまで積極的というわけではないかもしれません。年齢も今年で34歳とベテランの領域に入ったカラバイヨは、コーチとして後進の指導にも熱心に取り組んでいます。彼がコーチをしている群馬は打撃成績も良く、チームも首位をキープし続けています。過去には独立リーグでコーチとして結果を出し、NPBへ進んだ指導者も数多くいます。もしかしたら、カラバイヨも選手としてではなく、コーチとしてNPBへ進む可能性があるかもしれません。
独立リーグはNPBの外国人にとっても大事なチャンスの場に
ドラフトで指名されなかった選手がNPBを目指すだけでなく、NPBを戦力外となった選手が再起をかけて挑む場としても認識され始めた独立リーグですが、バリオスやボウカーたちのような外国人選手にとっても大事な場所となってきています。リーグとしても、NPBで活躍した選手が一緒にプレーするのは他の選手にとっていい刺激になり、また技術や経験を伝えてもらえるというメリットもあります。もう一度チャンスを掴むために戦い続ける選手たちの努力が報われることを願ってやみません。
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